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2015年08月11日
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今さら人に聞けない「広告・販促・PR」の違い。基本を理解して正しいコミュニケーション戦略を。

広告・販促・PR

コミュニケーション戦略における具体的な施策領域には、大きく分けて「広告施策」「販促施策」「PR施策」の3つのカテゴリーがあります。これらはどれもコミュニケーション活動の中に包括されるものではありますが、具体的にはそれぞれ目指す目標が異なります。企業でマーケティング関連の業務に従事されていても、意外と正しく理解されていないケースがたまにありますので、ここであらためて解説してみましょう。

 

それぞれの概念をまとめると下記のようになります。

 

【広告】

広告主とターゲットとのコミュニケーション活動全般の中で、有償で各種メディアの枠を買い取って露出枠を確保し、その中で広告主が自ら主張したいことを自由に表現し、訴求する活動です。テレビ、新聞、雑誌、ラジオなど従来型の4大メディアや、交通広告、屋外広告などのOOH(Out of home)メディアに加え、インターネット上でもWEBバナー、リスティング広告、行動ターゲティング広告、テキスト広告、ネイティブアド、動画広告などの施策があります。またこれ以外にも、イベント協賛なども広義の意味での広告に位置付けられることがあります。

 

【販売促進(販促)】

コミュニケーション活動の中で「買う気にさせる」「売る気にさせる」ために特化した具体的な施策のことです。リアル店舗やECサイトそれぞれで実施するものから、オンラインとオフラインを連動させる「O to O施策」や、すべてのチャネルで情報共有化を図りシームレスな購買行動を促す「オムニチャネル施策」などがあります。また販売促進には、消費者の購買モチベーションを高める純然たるセールスプロモーション(Salese Promotion)と、売る側のモチベーションを高めるインナープロモーション(Inner Promotion)の2種類があります。購買を条件としてプレゼントやキャッシュバックなどのプレミアムやベネフィットを提供する「マストバイ(must buy)」キャンペーンなどがスタンダードな施策ですが、購買を前提としないで抽選でプレゼントなどを進呈するキャンペーンは「オープンキャンペーン」と呼ばれ、これは純然たる販売促進目的というよりも「認知促進」を狙うブランディングの一環として実施されることが多いです。さらに店頭演出のためのPOP広告や商品展示台、商品陳列用什器、ウィンドウディスプレイをはじめとするストアマーチャンダイジングなども、販売促進施策の一環として位置づけられます。

 

【PR(Public Relations)】

ニュース性のある企業情報や、広く消費者や一般大衆に知らせる価値のある情報を社会に対して発表する活動。通常は「プレスリリース(Press releas)」や「プレスカンファレンス(Press conference=報道発表会)」などを通じて情報発信を行いますが、有償で露出枠を確保する「広告」とは異なり、各種メディアが記事やニュースとして取り上げてくれるかかどうかはコントロールできません。PR活動の結果、無償で獲得できた記事や露出のことは「パブリシティ(Publicity)」と」呼ばれますが、メディア上で有償で記事を書いてもらう「ペイドパブリシティ(Paid Publicity)」やWEBニュースサイトなどに記事形式で掲出される「ネイティブアド」は、「広告の一種」として区別されます。またメディアの読者や視聴者を対象にプレゼントを提供することで企業名やブランド名を露出させる手法は、「プレゼントパブリシティ」と呼んでPR活動のカテゴリーに含まれます。

昨今ではPR施策も一方通行の情報発信ではなくインタラクティブ性が求められており、SNSやブログによる情報拡散や、昨今一躍注目度が上がっている自社サイトのオウンドメディア化やコンテンツマーケティングなども、PR活動の一環として位置づけられています。ちなみにPRは先述のとおり無償で露出を獲得することが目的ですが、その作業をPR会社が代行する場合は、各種メディアとのリレーション活動の作業費として費用が発生しますので、一概に「PR活動=無償」とは言い切れません。

 

以上が、広告・販促・PRの大まかな説明になりますが、良く「広告とブランディングは違うんですか?」「ダイレクトマーケティングと販売促進の違いは?」などといった質問を受けることがあります。

 

広告・販促・PRはすべてすべて何らかのマーケティング目標を実現するための具体的な「戦術」ですが、ブランディングはマーケティング上の「戦略」になります。したがってブランディングという戦略目標を達成する手段として、広告や販促やPRといった戦術を効果的に組み合わせて実施することになります。

 

またダイレクトマーケティングは、企業とユーザーとの1to 1のコミュニケーションを実現する「双方向のマーケティングシステム」のことで、複数のチャネルやメディアを横断するかたちの概念になります。代表的な施策として通信販売やダイレクトメールなどが挙げられますが、それ以外の広告・販促・PR戦術でも「パーソナライズされたすべての施策」はすべてダイレクトマーケティングの概念に含まれます。とくに昨今はアドテクノロジーの進化でインターネット広のほとんどがユーザーのデモグラフィック情報に基づいてかなり正確にターゲティングできると言う点では、ネット広告の大部分はダイレクトマーケティングの具体的な施策として機能しているといえます。

 

さらにいえば、販促施策を実施する上で、たとえばキャンペーンの告知などで広告出稿するケースも当然ありますので、一概に広告と販促は別ものという捉え方もできませんし、さらに先述のとおりペイドパブリシティやネイティブアドは広告とPRの中間的なポジションに位置づけられたり、SNSやブログ施策でも有償サービスがありますでの、これらを明確に線引きするのは困難なのが現状です。

 

もちろん現代のコミュニケーション戦略の理論やシステムは日々進化しており、これらの範疇に収まらない戦術や施策が挙げられる訳ですが、まず基本を抑えておくという意味では、上記のようなアウトラインを理解していただければよいでしょう。