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2015年07月16日
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コミュニケーション・コンセプトとは何か?

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基本を理解して全体を見渡す。カギは、コンセプトとメッセージの踏襲。

 

コミュニケーション戦略とは、企業のマーケティング目標達成のためのすべてのコミュニケーション施策(広告や販促やイベントやPRなど・・)の方向性や具体的な運用方針を論理的に定め、実施計画に落としてゆく作業です。

 

その頂点に位置するのは、「コミュニケーション・コンセプト」であり、それをわかりやすく伝える役割を果たすのが「キー・メッセージ」あるいは「キー・ステートメント」などと呼ばれるコピーフレーズです。そしてこれらのコンセプトやメッセージを「軸」「幹」として、様々なコミュニケーション施策の「枝葉」をぶら下げていき、1本のツリーのように形成してゆく作業が、コミュニケーション戦略になります。

 

よく企業の広告宣伝活動を司る際に、具体的な施策の視点から入るケースがありますがーーーもちろん時にはボトムアップで全体を構築してゆく場合もなきにしもあらずではありますがーーー原則としてコミュニケーション戦略という作業は、最上位概念の構築に始まりそれをブレイクダウンさせてゆく、というのがセオリーです。

 

コミュニケーション戦略の全体概念図はこのようになります。

コミュニケーション戦略

 

先述のとおり、最上位に位置するのは「コミュニケーション・コンセプト」です。このコミュニケーション・コンセプトと商品コンセプト(あるいはブランドコンセプト)は似て非なる存在であり、商品コンセプトがその商品のコアバリューを簡潔に定義するものであるとしたなら、コミュニケーションコンセプトとは「ターゲットたちに何を伝え」「どのような行為を喚起し」「どのような価値を共有するか」といった戦略目標を最も簡潔に整理する作業です。

 

たとえば商品コンセプトが「飲むだけで脂肪を分解する緑茶」だった場合、コミュニケーションコンセプトを「オフィスでダイエット」とすることで、ビジネスマンやOLが休憩時間やお昼休みに飲む飲料の選択肢の中で対象商品のプレゼンスや優位性を高めることが可能になります。またたとえば商品コンセプトが「香りが持続する柔軟剤」であれば、コミュニケーションコンセプトを「お出かけ前の身だしなみ」とすることで、香水やフレグランスの代替需要を新たに喚起し新しい価値を創出することが可能になります。このコミュニケーションコンセプトは、顕在化されているニーズではなく、ターゲット自信もまだ気づいていない深層心理をどれだけ深くインサイトできるか、という点が、成功のポイントになります。

 

そして、コミュニケーションコンセプトを、すべてのステークホルダーにわかりやすく翻訳したフレーズが、キーメッセージやキーステートメントと呼ばれるコピーライティングになります。このメッセージとビジュアルイメージを組み合わせてデザインしたクリエイティブが、コミュニケーション・キービジュアルであり、すべてのコミュニケーション施策において、ターゲットとのコンタクトポイントで非常に重要な役割を担うインターフェイスとなるわけです。ここまでが冒頭で述べたコミュニケーション戦略の「軸」であり「幹」にあたる部分です。

 

よく、「あの企業のコミュニケーションはぶれてるよね」などと言われる場合、この「軸」がすべての施策に対して踏襲されていない、ということの現れです。つまり、コンセプトやキーメッセージがすべての施策にブレイクダウンされておらず、個々の施策がそれぞれ勝手な方向を向いて展開されている、というパターンです。そのような状態では、仮に短期的な目的は果たせたとしても、ブランドの正しい理解や価値の共有などは困難で、長期的に顧客との良好なリレーションシップを形成していくことは不可能です。

 

もちろん、施策のアイデアというのは必ずしもコンセプトベースで発案されるとは限りません。個々の施策の現場レベルで様々なアイデア提案や改善提案が活発に行われることが全体の活性化には不可欠です。大切なことは、それらの個々のアイデアをきちんと吸い上げ、コンセプトベースで昇華させた上で、全体との整合性を図る作業を怠らないことです。