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2016年04月08日ブログ
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AIDMAでも、AISASでも、DUAL AISASでもない。クリエイティブの立場から、ソーシャル時代に相応しい新しい消費行動理論を考えてみた。

CIRmodel+

消費者の購買行動を表す理論は昔からあり、古くから使われているモデルの「AIDMA」や、インターネット普及後に発表された「AISAS」などがその代表的な例です。さらに昨今ではソーシャル時代における消費者の行動モデルとして昨年発表された、AISASモデルを改良した「DUAL AISAS」モデルも著名なところです。

 

AIDMA

https://ja.wikipedia.org/wiki/AIDMA

 

AISAS

http://marketingis.jp/wiki/AISAS

 

DUAL AISAS

http://dentsu-ho.com/articles/3100

 

いずれの理論も、今さらここで僕なんかが説明するまでもなく、広告やマーケティングに従事する方々なら誰もがご存知かとは思いますし、それぞれの時代の消費者の行動を表すモデルとして実に素晴らしいものであることは間違いありません。

 

しかし、僕は正直言うと常々、「どれも、なんかちょっとアバウトだなぁ」と思うところがなきにしもあらず、でした。

 

理屈はたしかに通っているのですが、語呂合わせの良さが優先されているせいか(笑)、簡潔で合理的ではあるけれど、簡潔過ぎて何か大切なものが欠けているような気がしてなりません。

 

一言でいえば

「消費者ってそんなに単純じゃないんじゃない?」

ということです。

 

仕組みとしてはたしかにそうかもしれないけれど、もう少しいえば

「ヒトを動かしているものは、実はもう少し情緒的な何かなんじゃないか」ということ。

 

僕はゴリゴリのマーケッターではなく、クリエイティブの視点からコミュニケーション・プランニングを考える立場なので、ゴリゴリのマーケッターの皆さんのように、「はい、検索して、購買して、シェア」などとスパッと潔く割り切れないんですよね。

 

自分に置き換えてみても、何らかの消費したり情報をシェアしたりするときには、やはりモチベーションを突き動かす何かがあるわけで、しかもその何かというのは、論理的なものではなく情緒的なものなんだろうな、と思うわけです。(いかんせん、ロマンティストなもので:笑)

 

というわけで、結論をいうと、

 

クリエイティブの立場から、ソーシャル時代に相応しい新しい消費行動理論を考えてみた、ということです。

 

その全体像がこれ。

CIR model

 

このモデルの最大の特長は、消費者の行動を促している概念として新たに「共鳴(Resonant)という要素を加えている点です。そしてこの「共鳴」という概念は、必ず何らかの具体的な行動(情報拡散や購買行動など)のトリガーになっている、ということを表しています。

 

共鳴———ロマンティックな響きですね(笑)

 

でも、クリエイティブ立場だからというわけではないのですが、最終的にヒトを動かしているのはこの「共鳴」という原理なんだろうと、僕はわりと真剣に考えています。

 

またこの理論では、大前提として「購買行動理論」という考え方をやめて、購買に至る周辺にある情報の消費や拡散行動も含めた「消費行動理論」と名づけ、消費者の関心事を大きく「ヨノナカゴト」と「ジブンゴト」というカテゴリーに分けた上で、行動プロセス全体を位置づけています。

 

細かい行動プロセスでは、従来「認知」「注意喚起」を指していたAttentionを情報との接触を表す「Contact」に、「購買」を指していたActionの部分を「顧客化」と位置づけ「試行(Trial)」「実行(Conversion)」に分解、「共有」を指していた「Share」を情報拡散を表す「Diffusion」に置き換え、ResonantやActionなどの行動の後に位置づけてあります。

 

そして行動プロセスの導入部分にあたる、Contact(接触)、Interest(関心)、Resonant(共鳴)の頭文字を取って「CIR(シアー)モデル」と名付け、以下、行動プロセスのパターンを次の4つに分類して、それぞれの行動プロセスに応じて「CIR-D」「CIR-ARD」「CIR-SRD」「CIR-SRARD」としています。

 

(1)CIR-D(シアー・ド)

接触した情報に対する反射的な拡散行動。いわゆる“バズ”の多くはこれ。エンゲージメントは浅い。

 

(2)CIR-ARD(シアー・アルド)

接触した情報をもとに反射的にコンバージョンに至った上での拡散行動。ジブンゴト化のレベルは高いが、エンゲージメントはそれほど深くない。

 

(3)CIR-SRD(シアー・スルド)

接触した情報をもとにサーチを重ねた上での拡散行動。ジブンゴト化もエンゲージメントもかなり高まっており、最終アクションに至る直前レベル。

 

(4)CIR-SRARD(シアー・スラルド)

接触した情報をもとにサーチと精査を重ね、コンバージョンに至った上での拡散行動。ジブンゴト化のレベルもエンゲージメントのレベルも最も深い。

 

この「CIRモデル」では先述の通り、消費者の行動のトリガーとして「共鳴(Resonant)」が最大の特長になっていますが、同じ「共有」でもその位置によって温度やモチベーションは大きく異なり、その温度差によってその後の情報拡散や購買などの行動が規定されていくと考えており、またブランディングで最も重要なエンゲージメントについても、それぞれの共鳴後の行動によって深さが変わってゆくものと考えています。

 

つまり、ヒトの消費行動のカギは「共鳴」の種類や度合いであり、その「共鳴」を促すものは「コンテンツ」であるというわけで、逆に言えば、どういうゴールを設定するかによって、コンテンツの作り方や、そのコンテンツを置く場所も変えていかなければならないということです。

 

コミュニケーションデザインを考える上では、その点を十分に留意しながら取り組まねばならないということが言えるでしょう。

 

このCIR-modelについての解説は、また日を改めて当サイトのトピックス記事で詳細に解説をしてみたいと思います。

 

 

 

 

宮内 尚弥投稿者 

宮内ナオヤです。プランニングとクリエイティブディレクションを担当。得意はコンセプトメイキングと、愛と情熱にあふれたプレゼンテーション。標準語、関西弁、中国語を操るトリリンガル。好きなコト&モノ:スキー、登山、カメラ、自転車、温泉巡り、鉄道、キーボード演奏、ファンクミュージック、スイーツ、白米。

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