ブログ

2016年03月03日ブログ
LINEで送る

インバウンド・マーケティングで注目される「KOL」は爆買いの起爆剤などではなく、ブランディングに最適な合理的なメディアであるという事実。

82b29824af2c0243431bbd264d6cc96b_s

中国から、日本に関する情報発信に特化した著名ブロガーたちを3名招聘して、大手百貨店のリニューアルイベントの取材をしていただきました。

 

この3名はそれぞれ「日本宅人」「J調de華麗」「視角日本」というハンドルネームで活動をしている方々で、旅行、カルチャーからグルメ、ファッション、家電、芸能、雑貨、ライフスタイルにいたるまで、日本に関するありとあらゆる情報発信を行なっていて、訪日旅行を考えている生活者や日本ブランドの購買を検討している中国の生活者たちに大きな影響力を持っています。

 

IMG_4805

IMG_4792

IMG_4810

 

中国からの訪日客をターゲットとするインバウンドマーケティングで最も重要な点は、日本側での施策よりも、現地側でのコミュニケーション施策をどうするか、という点にあることは、当サイトの2015年10月5日付けトピックスでも述べました。

http://www.adw.co.jp/topics/topic1005.html

 

その要ともなるのが、中国のマーケティングやコミュニケーションで最も強力な影響力を発揮しているKOL(KOL=Key Opinion Leader)と呼ばれる存在です。

 

KOLはいわゆる著名ブロガーであることが多く、自身のブログをはじめ、中国で最もメジャーなSNSである微博や微信などのツールでも多くのフォロワーを抱えており、そこで発信される情報は多くの生活者の購買行動に大きな影響力を持っています。日本では著名ブロガーを活用したマーケティングは、ステマ問題などもあって一時ほどの活況は見られませんが、マスメディア上の情報に日本ほどの信頼性が担保されていない中国では、ネットを中心に強力な支持層を有しているKOLは、クチコミマーケティング上でも非常に大きな存在であることは間違い有りません。

 

但しここで誤解していただきたくない点は、「KOLに発信してもらえばすぐに爆買いにつながる」などと安直なことを言っているわけではない、という点です。

 

インバウンドマーケティング論が花盛りの昨今では、よく「爆買い対策プロモーション」などと称してKOLの活用を呼びかけているマーケティング会社やコンサルティング会社や広告代理店などが見受けられますが、中国でのマーケティングはそれほど単純ではありません。

 

あくまでクチコミマーケティングの目的はブランドの認知拡大や理解促進であり、最終的に売上拡大につながるかどうかは商品やサービス自体の魅力や力なのです。当たり前のことですがそれを最終的に精査するのは生活者自身であり、たとえKOLが好意的な情報発信をしたとしても、肝心の商品やサービスの中身が伴わなければ、あっという間にネガティブなウワサが拡散して、まったく逆効果になるのは当然なのです。

 

但し、中国では昔から「生活者はハナから広告なんか信用していない」「でも広告を打たない企業や商品はもっと信用されない」とも言われているとおり、言い換えれば「誰も知らないモノはたとえ良いものでも買わない」と言い切ることもできるわけで、とりあえず「人々に“知られている”こと」がスタートラインに立つことであり、まずは知られたところではじめて生活者たちの「買うかどうか」のテーブルに乗ることができるといっても過言ではありません。

 

そういう意味では、KOLたちに期待するミッションは決して「Ad-tower(広告塔)」ではないものの、かといって「Recommender(推薦者)」としての役割でもなく、どちらかといえばある種の「Media」としての中立性に近いものだと考えるべきでしょう。その点は、日本であれ中国であれクチコミマーケティングを行なう上で、最も留意しておかなければならない基本原則であると思います。

 

メディアバイイングを中心としたマス展開や、メディアを対象としたパブリックリレーション(PR)戦略が、費用対効果の面からみても、またシステムや習慣の差異という面からみても日本よりも遥かにハードルが高い中国で、ターゲットに対して、ブランドの認知拡大や理解促進をダイレクト且つローコストで図りたいと考える上では、このKOLは中国における「新しいメディア」として、今のところ最も合理的な手段であると思います。

 

「爆買い」などという目の前の浮かれたキーワードに振り回されるのではなく、正しい情報を正確に伝えるという情報発信の原点に立ち返った施策こそが、長い目でみて功を奏することは間違いなく、そのためにKOLを上手に活用することこが中国でのブランディング戦略成功のポイントではないかと思います。

 

宮内 尚弥投稿者 

宮内ナオヤです。プランニングとクリエイティブディレクションを担当。得意はコンセプトメイキングと、愛と情熱にあふれたプレゼンテーション。標準語、関西弁、中国語を操るトリリンガル。好きなコト&モノ:スキー、登山、カメラ、自転車、温泉巡り、鉄道、キーボード演奏、ファンクミュージック、スイーツ、白米。

コンテンツマーケティングに関する各種ご依頼・ご相談は、こちらから。 お問い合わせ