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2015年08月17日ブログ
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収入は増えても消費マインドが高まらない。GDP速報値の発表で見えた、社会を覆う漠然とした不安感。

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今日、4~6月期のGDP(国内総生産)速報値が発表されました。

 

0.4%のマイナス成長だったそうで、この状態が1年間続いた場合の年率に換算すると-1.6%だそうで、3四半期ぶりのマイナス成長となるそうです。

 

前回マイナス成長が発表されたのは昨年7〜9月で、これはその直前に実施された消費税増税の影響が大きかったためだと言われていますが、その後アベノミクスが順調に功を奏したのかプラス成長が続いていました。

 

GDPは主に「個人消費」「企業の設備投資」「公共投資」「輸出」の4項目で構成されますが、中でも最も大きな割合を占めるのが「個人消費」で、これは全体の約60%を占めると言われています。つまり前回のマイナス成長も、今回のマイナス成長も、主要な原因は個人消費の冷え込みが大きく影響しているといえます。

 

テレビの街頭インタビューなどを見ていて興味深かったのは、実は去年から今年にかけて収入は増えている人が多いんですね。恐らくこれについてはアベノミクス効果なのかもしれません。ところが収入は増えているにもかかわらず消費は増やさないーーーつまり支出を抑える人がほとんどだということなのです。だから個人消費が伸びない。GDPも伸びない。

 

支出を抑えている人たちの意見の大半を占めているのは、「将来に対する不安」です。年金問題やら、雇用問題やら、今後まだ控えている消費増税やら、景気の先行き不透明感やら、外交問題やら・・・そういった様々な「将来に対する漠然とした不安感」が世間全般をもやのように覆っていて、収入がちょっと増えたからといってほいほいと支出を増やすわけにはいかない、お金を貯めておくにこしたことはない、という観念がまだまだ人々の潜在意識の底に根強く澱のように貼り付いて支配しているのではないかと思います。なんとなく長らく続いた不景気の間に人々の意識に染み付いた節約観念は、そんなに簡単に崩せるものではないのかもしれません。

 

 

昨年来、世間を賑わせているニュースなどでは、景気の回復を匂わせるような明るい話題が目立っていましたが、実態はそれほどではないのではないのでしょうか・・・とそんなことを考えていて、ふと「あれ、この現象は何かに似ているな」と思ったのです。

 

そう、以前当サイトのトピックス欄の7月31日付けの記事でも書きましたが、スマホ依存症」だの「テレビの時代は終わった」だのと叫ばれているほど、実のところ世間の大半はそれほどスマホ依存症でもテレビ離れも起こしていない、という現実。

http://www.adw.co.jp/topics/topic0731.html

 

メディアを賑わせている情報と社会の実態には、実は大きな差異が存在することが多いような気がします。景気が回復しているようにみえて、実はそうでもない。誰もがスマホ依存に陥ってそうに見えながら、実はそうでもない。ただし極論のほうが世間的にはウケがいいことは確かなので、どうしてもメディアから発信される情報は極端なほうに走りやすい。

 

そもそも個人の消費マインドが活性化されなければ、いくらブランディングだプロモーションだのと騒いだところで、そんなにぽんぽんと簡単にモノは売れません。大切なことは、個人の可処分所得が増えることだけにとどまらず、将来に対する得体の知れない不安が払拭され、誰もが安心して「さあて消費でもしようかな」という「自然な空気」を政治や経済全体で生み出していくことだと思いますが、私たち広告業界のプランナーなりクリエイターたちも、メディアの情報に踊らされずに生活者の視点、生活者実感というものをきちんと見極める「嗅覚」を身につけ、人々のこころに届くメッセージの発信や施策プランニングを行っていく必要があるかと思います。

 

宮内 尚弥投稿者 

宮内ナオヤです。プランニングとクリエイティブディレクションを担当。得意はコンセプトメイキングと、愛と情熱にあふれたプレゼンテーション。標準語、関西弁、中国語を操るトリリンガル。好きなコト&モノ:スキー、登山、カメラ、自転車、温泉巡り、鉄道、キーボード演奏、ファンクミュージック、スイーツ、白米。

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